コロナ禍で経理担当者が果たすべき役割
新型コロナウイルス感染症によって、事業継続か、撤退かといった重大な岐路に立たされている経営者も少なくはないのでしょうか。
事業の継続、撤退、どちらを選択するにしても、経営者が正しく将来予測するためには精度の高い月次試算表が必要です。経理担当者は請求・支払い管理や給与計算といった業務に加えて、この精度の高い月次試算表を作成するという重要な役割があります。
■精度の高い月次試算表を作るには
精度の高い月次試算表とは、「一か月の損益が正しくあらわされている」試算表になります。
押さえるべきポイントは以下の二点です。
・売上と原価の対応関係が正しいか
・固定費は1ヶ月分が過不足なく計上されているか
棚卸の増減が損益に反映されているか、減価償却費は毎月計上されているか等といったことにも注意が必要です。試算表を作成したのち、必ず勘定科目ごと且つ取引先ごろに前年対比と前月対比を行いましょう。
■借りられるときに借りておく
コロナ禍の行方が暗雲たちこめる中、「必要がなくとも借入をして手元資金に余裕をもっておく」ことが重要です。返せなくなることを心配する人も多いですが、借りてもそれを使わなければ、危機が去った後に返済すればよいだけです。返せなくなることを心配するよりむしろ、借りられないことを心配してください。会社が借りたいときに必ず借りられるというわけではありません。
■無借金経営≦実質無借金経営
銀行は借入を「信用」として認識・判断します。例えば借入なしで預金が三千万円ある会社より、三千万借り入れて預金が六千万ある会社を銀行は信用します。
「預金≧借入額」の状態を「実施無借金」といい、銀行は実質無借金の会社を高く評価する傾向にあります。一般人と銀行では信用・信頼の考え方が上記のように異なるので注意しましょう。